
Australian Aboriginal Art
Past Present Future...Tjukurrpa/Dreaming...
オーストラリア先住民アボリジナル。
彼らの歴史は太古まで遡る..
広大な地に6万年以上も前から生きてきた彼らアボリジナルは
現存する地球最古の文化を保持する民族と考えられています。
彼らの祖先が残した遺跡や壁画、道具などは私たち人間のルーツ、
地球や宇宙の成り立ち 関わりまでをも想起させてくれます。
アボリジナルは狩猟採集をしながら定住せず、大陸を旅して生きてきました。
全土に広がる部族の数は500以上、言語は300を超えていたとされ
エリアによってその生活様式も多様なものでした。
後に白人の入植、統治が始まり彼らは壮絶な歴史を辿ります。
アボリジナル人口はわずか100年余りで4分の1にまで減少してしまったのです。
独自の言語や文化、慣習の多くが失われてしまった今、
彼らは滅びゆく種族とも呼ばれています。
現代社会に生きる私たちへのメッセージ---
彼らアボリジナルは遥か昔から自然と共に一体となって生きてきました。
自然とのつながりや先祖から受け継がれてきた生きる知恵、
神話や天地創造の物語を岩料や木の実を用い洞窟や 岩場、砂の上などに描き後世に伝えてきました。
今日のようにアクリルペイントでキャンバスに描かれるようになったのは
1971年頃 白人美術教師の指導によるものでした。
当時、文明とは程遠いと認識されていたアボリジナルたちが描く
画法や色彩、ユニークでモダンなデザインに多くの人々が魅了され
世界的センセーショナルとなりアボリジナルアート/現代美術として広く周知されるようになりました。
私たちnomin universeがアボリジナルアートやアーティストたちと出会ったのは2012年。
オーストラリア北部であった皆既日食がきっかけで大陸を旅する中、
旅の最終目的地でもあった中央砂漠、ウルルを目指した後のこと。
数々のご縁に恵まれてアリススプリングス周辺のアーティスト達との交流が始まりました。
それから年月を重ね現地と日本を行き来しながらさらなる交流を深め作品を描いていただいています。
大陸のセンターに位置するこのエリアは乾燥した気候、
赤土がどこまでも続くような雄大な大地や切り立つ岩山
生息する野生動物などダイナミックな自然を肌で感じられます。
辺境の地であった為、外部からの入植が容易ではなかったことなどから海岸部と比べると
今でもアボリジナル文化が色濃く残り継承されています。
そして数多くの世界的アーティストを輩出したエリアでもあります。
1984年に初めて白人との接触をもったピンタビ族のワララ ティチャパリ氏も
そのうちの1人です。
一族は砂漠で狩猟採集生活をしていた時、上空を飛ぶヘリコプターから発見されました。
歴史上で発見された最後のアボリジナルだった為、
この発見はオーストラリア全土で大きな話題を呼び
彼らは”ラストアボリジナル” と呼ばれる存在になりました。
太古より受け継がれてきた独自の世界から近代的な世界への移行。
過去、現在、未来を一直線上に捉えない彼ら独自の時間軸・世界観や概念は
ドリームタイム/ジュクルパに内在し今この瞬間もそれらを辿っているとしています。
そして祖先や自然と繋がる儀式や絵を描く行為はドリーミングといわれ
時に歌を唄いながら筆を運ぶ姿は悠久の時を感じさせてくれます。
アボリジナルアートとは彼らにとって太古より
祖先から受け継がれてきた神話や深遠なる叡智であり
精神が込められた壮大な物語 記憶の一部でありすべてなのです。
そこには現代を生きる私たちへメッセージやヒントを投げかけているようにも感じます。
目まぐるしく変化していく 大きな流れの中にある激動の今だからこそ
彼らが描くエネルギー溢れる作品から それぞれが持つ本来の力、
眠っている野性の感覚や強さが呼び醒まされると信じています。
ぜひ直接ご覧になって体感していただきたいと思い
ギャラリーやカフェでの展示・販売、学校施設での紹介、自然のなかでの鑑賞会なども行っています。
ご興味ある方、実際に観てみたいと思われる方 どうぞお気軽にご連絡ください。